東京五輪で金メダル獲得を狙う侍ジャパン。エースと期待された巨人・菅野智之がコンディション不良で出場辞退し、左足首の靭帯を痛めて4月から3カ月間離脱した故障上がりのソフトバンク・千賀滉大が追加召集されるなど、一連の代表選考は大きな反響を呼んだ。
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だが、五輪に臨む他国の「本気度」は微妙だ。米国に駐在する日本人通信員は、「五輪はアマチュアの大会という認識で、シーズン中もMLBは開催されます。メジャー枠に入っている選手たちは五輪に出場しないので、米国の国民は関心が低い。ベネズエラ、ドミニカなど他の強豪国も同じ事情で飛車角抜きのメンバーです。米国、中南米では五輪を野球の世界一を決める大会だと思っていない。米国の記者にも『五輪で本気なのは日本だけだよ』と言われました」と苦笑いを浮かべる。
確かに、五輪が「世界一を争う大会」とするには違和感を覚える。WBCにも言えることだが、MLBで活躍する「超一流の選手」たちが出場しない。今回の五輪も、大谷翔平(エンゼルス)、ダルビッシュ有(パドレス)、菊池雄星(マリナーズ)らメジャーリーガーは名を連ねていない。
予選を勝ち上がり、東京五輪本戦に参加する国が6カ国というのも、他の競技に比べて小規模である感が拭えない。サッカー、バスケットに比べて世界的に野球の競技人口が少ないのに加え、新型コロナウイルスの影響で、台湾、中国、豪州が大会の予選を出場辞退した。出場国が少なく、最高峰のメジャーリーガーの選手たちが出場しないとなると、盛り上がりに欠けるのは致し方ないかもしれない。
米国代表のメンバーを見ると、3A、2Aの選手たちが中心で、NPBでプレーしているDeNAのタイラー・オースティン、ヤクルトのスコット・マクガフ、ソフトバンクのニック・マルティネス、元オリックスのブランドン・ディクソン、元日本ハムのアンソニー・カーターが選出された。
「選手個々の能力を考えれば日本の方が上ですが、米国が最大のライバルになるでしょう。全盛期は過ぎましたが、メジャー通算218本塁打のトッド・フレージャー、通算108勝のスコット・カズミアーなど実績のある選手に加え、将来メジャーでの活躍が有望視される若手の成長株がそろっている。彼らはここで活躍して注目されたいというモチベーションが高い。勢いに乗ると、かなりの脅威です」(スポーツ紙デスク)