「何もかもが新鮮。彼らが作っているもの自体、見たこともない、食べたこともないものでした。でもそれは戸惑いではなく、発見でした」

 と回想している。

 1号店は車に乗ったまま注文することもできるスタイルで、開業当初はローラースケートをはいた女性たちがサーブしていたという。

 アメリカンな光景が展開されていたわけだが、無理もない。当時の沖縄はまだ占領下。日本に返還されたのは、同店開業の9年後である。

 そのため厳密にいえば、A&Wは日本最古のハンバーガーチェーン店とは言えない。

では、日本で最も古い歴史を持つチェーン店はどこか。マクドナルドに先駆けること約1年5カ月前、70年2月に東京都町田市で開業した「ドムドムハンバーガー」である。

 ダイエー系列の経営で、90年代には400店ほども展開した。ジュルリと出てくる肉汁とピクルスの酸味がマッチする「ビッグドム」をはじめ、「お好み焼きバーガー」など個性的なメニューがそろい、懐かしさを感じる中高年も多いだろう。

 しかし規模は縮小し、2017年には、レンブラントホールディングスに営業権が譲渡された。

 現在の店舗数は27にまで減っているが、経営権が変わってから攻めの姿勢が目立つ。

「月1で限定商品を発売しています。ソフトシェルクラブをはさんだ『丸ごと!! カニバーガー』は特に好評で、これまで何回か登場させました。嬉しいことに『近くに空き店舗があるのでそこに出店してほしい』といったご要望もいただいております」(ドムドムフードサービスの藤崎忍社長)

 同社に届いたメールを一部紹介してもらった。「北海道に再出店する予定はあるのでしょうか」「長崎市内に復活させてほしいです」というメッセージが書かれていた。ドムドムには熱いファンがついているのだ。

 懐かしさといえば、もう一つ簡単に触れておきたい。自販機専用の「グーテンバーガー」だ。

 マルシンハンバーグでおなじみの「マルシンフーズ」の子会社、「マルシンマック」が販売した。コンビニエンスストアが少なかったころ、夜中に小腹が空いて買いに出かけた人も多いのでは?

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