そのほかにも東京五輪は、デザイン模倣疑惑、政治利用をもくろんだ延期、女性蔑視発言、いじめ、忖度・腰抜けメディア、などなど問題だらけだった。それらが日々、炙(あぶ)り出され、本戦前の予選のようにだらだらと見せられてきた。
あたしはもう気持ち悪くて、これ以上、見ていることができない。アスリートの応援は、心が頑丈などなたかに任せよう。
それにしても、これだけこの国の問題があらわになったのだ。この後は、良い方向に向かうと信じていいの? 今より最悪が待っているの?
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2021年8月13日号