みうら:何せタイトルが「エロエロ」ですからねぇ(笑)。エッセー風を装ってますけど、気持ち的には艶笑落語みたいな感じで書いているんですよ。マクラがあって、噺があって、サゲがあるみたいな。かなり妄想の部分も多いですけど。

林:ああ、あれは妄想なんですね。

みうら:妄想にまでジャッジが入ったら、たぶん僕はアウトでしょう。でも、やはりエロにはリアリティーが必要ですからね。

林:あれを読んでると、「みうらさん、昔からすごいな。こんなにたくさんの女の人と」って……。

みうら:いや、つき合ってた一人の方との思い出を、金箔をたたくように薄く薄く広げてるつもりなんで(笑)。

林:わかります、その気持ち(笑)。

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

みうらじゅん/1958年、京都府出身。80年、武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。97年に「マイブーム」で新語・流行語大賞を受賞。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンなどとして幅広く活動。ゆるキャラや仏像など多くのブームをつくる。『アイデン&ティティ』『マイ仏教』『さよなら私』など、著書多数。今年、『「ない仕事」の作り方』で本屋大賞「2021年発掘部門『超発掘本!』」。現在、「みうらじゅんフェス! マイブームの全貌展」が9月5日まで盛岡市民文化ホール・展示ホールで開催中。

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週刊朝日  2021年8月13日号より抜粋