ただ、金メダルの最有力候補は、2019年世界選手権でも団体総合で金メダルを獲得したロシアだろう(東京五輪にはロシア・オリンピック委員会【ROC】として出場)。ロシアの名伯楽であるインナ・ビストロワコーチに磨かれたフェアリージャパンが、女王ロシアにどこまで肉薄するか、注目だ。

 採点競技全般で強さを発揮するロシアは新体操でも世界を牽引しており、2000年シドニー五輪から2016年リオ五輪まで、5大会連続で団体・個人の金メダルを独占している。個人でも、金メダル候補はROCのジーナ・アベリナだ。世界選手権3連覇中の女王は、2017年世界選手権で個人総合の金メダルをかけて競った双子の姉・アリーナと共に東京五輪に臨む。

 日本の個人総合代表は、喜田純鈴と大岩千未来だ。二人とも初めての五輪出場となるが、身体能力の高さを生かしシャープに舞う喜田、エレガントな動きで魅了する大岩にはそれぞれの魅力があり、伸び伸びと力を発揮してほしい。

 Dスコア(難度)の上限がなくなったことで、息つく暇もないほどに技が詰め込まれている現在の新体操。個人1分15秒~1分30秒、団体2分15秒~2分30秒の華麗な演技は、選手たちの汗と涙の結晶といえる。大舞台での舞を、しっかりと見届けたい。(文・沢田聡子)

●沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」

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