1964年の東京五輪や98年の長野五輪では、天皇が名誉総裁として開会式と閉会式に出席。 皇太子はパラリンピックの名誉総裁として開会式と閉会式に出席していた。


 
 今回は、両大会の名誉総裁を務める天皇陛下が五輪・パラの開会式を、皇太子待遇の皇嗣である秋篠宮さまが閉会式を担当する。皇太子の役目であった日本代表選手団の結団式も、秋篠宮さまがオンラインで出席している。

「五輪は、皇室が海外首脳や王室メンバーとの国際親善を担う場でもある。特に秋篠宮さまは、皇位継承順位1位を国内外に宣言する『立皇嗣の礼』の儀式は縮小されました。国内外の要人を招き、皇嗣として親善の場となるはずの『宮中饗宴(きょうえん)の儀』は行わなわれなかった経緯がある。今回、コロナ禍がおさまっていれば、五輪は皇嗣として国内外要人へのお披露目の場にもなったでしょう」(河西准教授)

 閉会式では宣言などはなく臨席のみだ。

 それでも、閉会式で秋篠宮さまも海外の人の注目を集めることが予想される。

 というのも、莫大な放送権料を支払う米国のテレビ局に配慮し、視聴者が起きている時間帯を意識しているといわれる。事実、人気競技の決勝は夜や午前中に集中しがちだ。同じように閉会式は、20時にスタートして22時半に終わる。もし午後だったら米国は真夜中で寝静まっているが、日本時間で20時以降は、米国は朝起き出してテレビをつける時間で、ヨーロッパも午後。当然、画面に映る秋篠宮さまの姿は、海外の要人も目にするだろう。

 心配な点があるとすれば長女、眞子さま結婚問題に端を発した秋篠宮家への批判が高まらないかという点だ。

「国内の秋篠宮家に批判的な人びとは、それこそ、臨席する秋篠宮さまの表情や顔色まで、眞子さまの問題などと絡めて深読みする。さらなる批判の材料を提供することにならなければ、いいが。それこそ、日本国民が秋篠宮さまの一挙手一投足を監視しているかのイメージに近いのでは」(元宮内庁職員)

 閉会式での「皇嗣お披露目」は、秋篠宮家にとって吉とでるのか。(AERAdot.編集部 永井貴子)  

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