惜しくも4位でメダルを逃した楢崎智亜選手。スポーツクライミング男子複合(GettyImages)
惜しくも4位でメダルを逃した楢崎智亜選手。スポーツクライミング男子複合(GettyImages)
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スポーツクライミングの男子複合で論争になった旭日旗のシェイプをしたとされる第三課題(GettyImages)
スポーツクライミングの男子複合で論争になった旭日旗のシェイプをしたとされる第三課題(GettyImages)

「こんな騒動になって、一番戸惑っているのは選手たちだと思います。スポーツクライミングは国境を越えて選手たちの仲が良いんです。各種目でルートをどう攻略するのか意見交換することも珍しくありません。選手たちや指導者はこういった形で注目されることを望んでいないと思います」

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 ボルタリングを取材するスポーツ紙記者がこう憤慨したのは、「旭日旗問題」だった。

 スポーツクライミング男子複合で人工構造物からなる壁を制限時間内に通過する「ボルダリング」の種目が5日、行われた際、韓国の公共放送局・KBSで解説を担当したキム・ジャイン氏が第3課題の形が、旭日旗を形象化していると問題提起したのが事の発端だった。

 キム氏は自身のSNSで第3課題と旭日旗の画像を並べて投稿。「ボルダリングのこのデザインについてどう思う?」と英語で疑問を呈したところ、韓国メディアもこぞって取り上げる事態に。「旭日旗をあしらったデザインで韓国を侮辱している」と韓国国内で大きな批判が起こっている。

 旭日旗に関して韓国外務省は、「日本の帝国主義と軍国主義の象徴」と糾弾。日本は数百年前から国を象徴する伝統的な意匠として宣伝や製品にも使われていたことから、「政治的主張にならない」と主張している。韓国側が東京五輪で旭日旗に持ち込み禁止を求めたところ、IOCは問題視しなかったため不満を募らせた経緯がある。

「旭日旗に関して韓国国民は敏感です。ただそれだけでなく、韓国は今回の東京五輪で思うような成績を残せず、日本は過去最多の27個の金メダルを獲ったためフラストレーションがたまっている側面もあると思います。野球では日本が金メダル、韓国はメダルどころか4位に終わり、監督や選手に対して批判が殺到しています。卓球でも男子団体の3位決定戦で日本に敗れた。主要な国際大会で韓国は日本に11勝4敗と大きく勝ち越していただけに、この敗戦はショックが大きく、『屈辱すぎる』、『なぜ日本にことごとく負けるのか』とSNS上で怒りの声が書き込まれました。今回の旭日旗問題も韓国がメダルを多く獲得していたら、ここまで問題が大きくならなかったのではないでしょうか」(韓国に駐在する通信員)

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苛立ちを募らせる韓国メディア