東京五輪の閉会式が行われた国立競技場(C)朝日新聞社
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 9日夜、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が帰国の途につき、東京オリンピックは本当の意味での終わりを告げた。

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 世界最高峰のアスリートたちが17日間の激戦を繰り広げ、終わってみれば日本は史上最多となる58個(金27、銀14、銅17)のメダルを獲得した。また、新世代の選手の登場や新しい記録などが次々と生まれ、スポーツの祭典としてみれば記憶に残る大会になったといえよう。

 しかし、東京オリンピックの開催に関しては終始疑問が絶えなかった。そのほとんどを無観客にしたとはいえ、緊急事態宣言下での開催は、本当に誰しもが手放しに喜べた大会だったのだろうか。

 米の有力紙は「歴史上最も物議を醸した大会」(ワシントン・ポスト)、「最近の中では最も奇妙なオリンピック」(ニューヨーク・タイムズ)と、東京開催が決まった2013年9月7日のIOC総会の時には想像もつかなかった評価を下している。

 閉会式後、『ワシントンポスト』はこの複雑な状況下の東京オリンピックを「ほろ苦い終わりだった」と述べ、「無観客で行われた大会や閉会式は日本が思い描いていたものではなかった」と振り返った。

 しかし、これら海外メディアの記事の中に、開催地である東京や日本を非難する声は聞こえない。海外メディアは、東京都や日本のオリンピック委員会が開催に向けて行った努力を高く評価している。

 前述の『ワシントン・ポスト』は同じ記事の中で、「日本は、あらゆる批判にもかかわらず、パンデミックの真っただ中でも、オリンピックが開催できることを証明した」といい、その結果、「オリンピックという魔法がパンデミックという暗闇と孤立を切り裂き、そのアスリートの謙虚さ、優雅さ、喜びは世界中の心を照らした」と、世界中に希望をもたらしたと評価している。

 米メディアが称賛する点は、東京が今大会を全うしたことだけに限らない。表彰台に上がる選手にはマスク着用を義務化し、自分でメダルを掛けるようにするルールを設けたこと、そして、最もジェンダーバランスの取れた大会であり、LGBTQ(性的マイノリティー)の選手が参加するなど多様性を見せたこと、開会式で聖火をともす役に大坂なおみを選び、日本国内では少数であるハーフや他人種への敬意を示したことなどのあらゆる点を称賛した。

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