リアルに訪れる機会があれば、校長先生の振る舞いを見てみてください。校長先生は学校を体現する存在ですから、校長先生が現場の先生方に対して高圧的な態度であれば、教員から生徒に対する指導も高圧的な可能性があります。

 本当はぜひ学校に足を運んでもらいたいです。説明会はオンラインでも、個別の訪問を受け入れている学校もあります。学校取材をしていると、たとえそこに生徒がいなくても、校舎に足を踏み入れるだけで雰囲気が伝わってきます。

──学校選びでは、偏差値が大きく影響します。どのように捉えたらいいのでしょうか。

 偏差値は、子どもの学力の程度や、その学校の入試の難易度を見るのにとても役立つものですし、受験で偏差値を無視することはできません。ただし、偏差値の高さと、その子にとっていい学校かというのは別のことのように思います。中学受験の偏差値が上位でなくても、いい学校はいっぱいありますから、ぜひ選択肢を狭めず、広げる方向で考えてほしいです。

 これからの子どもたちは、地球の裏側に行っても通用する人にならなければならないと言われています。それなのに、たかだか通学可能圏内にある学校のなかで環境をえり好みしているようでは先が思いやられます。志望校に受からなかったらダメになってしまう子どもではなく、結果的にどの学校に行くことになっても頑張れる子に育てることが親として大事なのではないでしょうか。

(構成/フリーランス記者・宮本さおり)

AERA 2021年8月16日-8月23日合併号

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