「新型コロナウイルスの新規感染者数が増えたと毎日、報道があるたびに小此木氏は反比例するかのように、票を減らすという展開だ。最大の争点、IR誘致のことに有権者はあまり関心がなく『コロナはいつ収束するのか』とばかり聞かれる」
自民党の焦りは相当なものだという。横浜市のある会社経営者がこう証言する。
「ほとんど面識がない小此木氏からいきなり『お世話になっております。小此木です』と電話が入ってびっくりした。うちのような小さな会社に大臣にまでなった人が、選挙をよろしくなんて驚いた」
しかし、菅首相はコロナの感染拡大に歯止めをかける対策がまったく打てず、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の延長を繰り返しているだけ。神奈川県内でのコロナ感染拡大も小此木氏に重くのしかかっているようだ。
「コロナは感染後、5日から最大で20日後に発症する。東京五輪の期間中に感染した人の数字が反映されるのは、8月22日の横浜市長選の投開票日の前後とされる。そのあたりでまた感染爆発が起きれば、小此木氏はますます厳しくなる」(前出・自民党の国会議員)
ピンチの自民党の頼みの綱は、集票マシ-ンとされる公明党だ。菅首相は独自のルートで公明党に支援を要請したが、動きはにぶいという。
それには理由がある。緊急事態宣言中に銀座で飲み歩いていたのがバレて、議員辞職に追い込まれた公明党の前衆院議員・遠山清彦氏の地盤だったのが、神奈川6区(横浜市)だ。そこでも小此木氏は苦戦しているという。
遠山氏は8月4日、元秘書らが日本政策金融公庫からの融資を無登録で仲介したとされる貸金業法違反の容疑で東京地検特捜部から自宅や事務所(千代田区)の家宅捜索を受けた。捜査は元秘書らの新しい勤め先だった現職の公明党衆院議員らの議員会館の事務所まで及んだ。遠山氏は公明党議員としては珍しく、IR誘致に積極的で、議員辞職後は香港のIR関連会社の顧問も務めていた。元東京地検特捜部検事の落合洋司弁護士がこう話す。