2021年も上半期が過ぎた。そこで、AERA dot.で読まれた記事ベスト10を振り返る。
4位は「ダウン症モデル・菜桜さんが「かわいい」と話題! 15回の手術を乗り越えて母子が抱く夢」(2月17日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま)
* * *
「ダウン症モデル」として活動している菜桜(なお)さん(16)が、注目を集めている。昨年から本格的に活動を開始するや、インスタグラムのフォロワー数は月を追うごとに増え、昨年12月末には1万人を超えた。投稿の中には45万回再生された動画などもあるが、なぜここまで人気を集めているのか。本人と母の由美さん(50)に話を聞いた。
青空の下で、鮮やかなピンク色の帽子が映える写真、艶やかな振り袖の写真……菜桜さんのインスタグラムには日々、さまざまなコーデが投稿される。
それに対して、「笑顔に元気をもらえる」「かわいくて素敵な写真!」といった応援コメントが数多く寄せられる。フォロワー層は障害のある子の親や家族にとどまらず、菜桜さんと同年代の女子高生なども多いという。
写真で目を引くのは、その天真らんまんな笑顔だ。母・由美さんは、そんな菜桜さんの笑顔を「エンジェルスマイル」と名付けた。
「わが娘ながら、かわいいんです」
現在は静岡県内の特別支援学校に通いながら、県内のモデル事務所「スタジオ・エリカ」に所属し、撮影やファッションショーの仕事をしている。事務所の青島えりか代表も期待を抱く。
「注目度が高まってきた。事務所としては、プロとして生活できるよう、ギャラを発生させてあげたい。フォロワーを増やし、アパレルと契約することが目標です」
服は親子で月に1~2回、県内のショッピングモールで選んでいる。ブランドはGAPやOSADAがお気に入りだ。
菜桜さんにお気に入りの色を聞くと、「ピンク!」と笑顔。由美さんは「私は白とグレーが似合うと思うんですけどねえ」と言って笑い合う。
「金銭的に余裕があるわけではないのでたくさん買ってあげることはできませんが、娘が自分から服を選んでいる様子を見ると、うれしくなります」(由美さん)
インスタグラムは毎回、由美さんが投稿している。投稿に対する思いについて、由美さんは言う。
「この子がまだ小さかった頃、ダウン症の子を持つブログを見ても、特徴のある顔つきや短命であることなど、出てくる情報はマイナス面ばかりだった。ネット掲示板では、生きている価値がないとまで書かれている。調べれば調べるほど、気持ちが落ちていきました。だからこそ、明るくなれるような、希望を持てるような情報を発信したかった」