早ければ23年に行われるWBCが次の最大のターゲットとなろう。ここにはメジャーリーガーの参戦を実現させなければならない。真の世界一とうたうのであれば、各球団の思惑で出場可否が決まるような形にはしてほしくない。まだ1年半以上時間があるのだから。

 広く野球界に目を向けると、夏の甲子園は天候不順による延期が続き、参加校の精神的なストレスもたまっていることだろう。コロナ感染による出場辞退も19日時点で2校出た。特に勝敗を決することなく、大会から去らなければいけない学校の思いを考えると、言葉も出ない。ただ、一つ言えることは、誰にでも感染のリスクはあるし、今回、辞退につながるコロナ感染をしてしまった当事者を、みんなで守っていく。それがチームワークであり、3年間ともに戦ってきた結束力なのだろうと信じたい。指導者の普段からの教育、そして甲子園という舞台まで上り詰めた選手のひたむきな努力があれば、乗り切ってくれると思う。

 コロナによって世界は制限を強いられている。その中で五輪が行われ、スポーツの素晴らしさを改めて知った。この熱い思いは消したくない。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2021年9月3日号

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