そんなさんまさんも御年67。タレントとしての衰えなど微塵も感じさせないことは誰もが知るところですが、「お笑い怪獣」などと呼ばれるその驚異的なエネルギーはいったいどのように機能しているのか、私はとにかくそれが気になり、滅多にないさんまさんの真横のポジションで終始、彼の言動を観察しながら仕事をしました。
ふと何かのリアクションを取る際に、さんまさんの右の二の腕を何気なく掴むように寄りかかる場面が訪れました。触ろうと思って触ったわけではないその二の腕は、シャツとジャケットに覆われているとはいえ、明らかに60代後半の男性のそれではありませんでした。「明石家さんま」という男の真髄・賜物に直に触れた瞬間。うっかり違う場所を触ってしまったのかと錯覚するぐらい、とにかくすごい硬さでした。
ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する
※週刊朝日 2022年12月2日号