投打の二刀流で絶好調の活躍を続けるエンゼルスの大谷翔平。最近はその活躍にあやかり、YouTubeで大谷の「フェイク動画」が投稿されているのをご存じだろうか。動画は軒並み再生回数を伸ばし、なかには230万回再生を超える動画も存在する。いったいどのような動画なのか。ネットリテラシーの専門家に聞くと、巧妙な手口や悪質さが見えてきた。
9月3日正午時点で、大谷のフェイク動画は複数確認できたが、なかでも再生回数を稼いでいるのが、「Angels TEAM WeBelieve」というアカウントだ。
現在、大谷のホームラン数は42本(9月3日時点)だが、動画のサムネイル(トップ画面などで表示される静止面)には「日米大興奮 43号」「祝 43号」などの文字が記載されている。映像の中身は過去のホームラン動画で、それを「43号目のホームラン」であるかのように配信し、再生数を稼いでいる。動画のなかには232万回再生を超えるものもあった(動画は9月3日20時時点で削除済み)
野球ファンはこうした動画をどうみているのか。
東京都の会社員男性(28)は、仲間の間でも、大谷のフェイク動画は話題になったという。
「大谷はホームランを連発しているので、YouTubeで『今日も打ったかな』と『大谷』のワードで検索するのが日課になっています。最新の情報を見たいので、タイトルやサムネを見て、号数の数字が大きい方を見る。それで『打ったんだ』と思って動画を見たら、全然違う動画だったりして、めちゃくちゃ腹が立ちます。押したのが悔しいですし、無駄にした時間を返せと思う。打てば打つほど、彼らが稼いでいると思うとむかつきますね」
東京都に住む別の野球ファンの男性(金融業・27)も、「人のふんどしで相撲を取って、そこまでして稼ぎたいのかと思う。法的にはグレーなのかもしれないけれど、人道に反することでお金を稼いでいるのは納得できない」と話した。
ネットリテラシー専門家の小木曽健氏は、「"釣り動画"のレベルを越えて、これは虚偽の動画です。そして手口も巧みですね」と所感を語る。
どういった点で巧妙なのか。