皮膚のコラーゲンは30代をピークとし、年齢とともに毎年約1%ずつ減少していくと言われています。女性の場合はホルモンの影響で50歳ごろまでは変化が少なく、その後減少していきます。

 予防としては、こちらもできるだけ紫外線を浴びないように気をつけることです。紫外線を浴び続けた高齢者の皮膚を顕微鏡で観察してみると、真皮に存在するコラーゲンの変性がはっきりと見て取れます。紫外線でコラーゲンが変性している部分だけ青紫色に変わるのです。

 また喫煙もシワの原因と考えられています。たばこを吸っている人はできるだけ早くやめたほうが良いでしょう。

 そのほか、アカゲザルの動物研究になりますが、30%のカロリー制限がシワの抑制につながったという報告もあります。食べ過ぎは肌の老化にも良くないということでしょう。

 睡眠ジワと呼ばれるものもあります。これは寝ている間に顔を枕に押し付けたせいでできるシワです。うつ伏せで寝る癖がある人は注意が必要で、仰向けに寝ることで睡眠ジワを防ぐことができます。

 今回は、シワの原因と予防法についてまとめました。皮膚の老化を防ぐには若いころからの対策が重要です。保湿、紫外線の予防、規則正しい生活を心がけ、いつまでも健やかな肌を保ちたいものです。

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大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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