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 11月25日から全国公開が始まる映画「グリーン・ナイト」。14世紀に詠まれた物語「サー・ガウェインと緑の騎士」を、『指輪物語』で知られる作家J・R・R・トールキンが現代英語に翻訳。「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」のデヴィッド・ロウリー監督が映像化した。

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 アーサー王の甥であるサー・ガウェイン(デヴ・パテル)は、まだ正式な騎士ではなく、ただ空虚で怠惰な日々を送っていた。クリスマスの日、宮殿での豪華な祝宴の最中、場違いな騎士が入ってくる。全身が草木に包まれたような緑の騎士は、恐ろしい首切りゲームを提案する。その挑発に乗ったガウェインは、その騎士の首を一振りで斬り落とすも、騎士は転がる首を堂々と自身の手で拾い上げ、「1年後のクリスマスに私を捜し出すのだ」と笑い、姿を消す。

 1年後、ガウェインは約束を果たすべく、未知なる世界へと旅立つ。生きている者、死んでいる者、そして人間ですらない者たちが次々に現れ、彼を緑の騎士のもとへと導いてゆくが──。

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)

評価:★★★

アーサー王の甥っ子の旅を通して語られる平凡な青年の成長記? いえ、成長なんかしてないみたいだけど、仄暗い自然を取り込み、計算された衣装、装置を駆使した映像の力で原作が中世の文学という雰囲気を伝えている。

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