東京五輪では侍ジャパンを指揮した稲葉篤紀監督 (c)朝日新聞社
東京五輪では侍ジャパンを指揮した稲葉篤紀監督 (c)朝日新聞社
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 ペナントレースも終盤戦に入ってきたが、徐々に来シーズンへの動きも気になる時期となっている。特に低迷しているチームにとっては立て直しに向けた人事も徐々に出てくるが、パ・リーグで気になるのが最下位に沈む日本ハムだ。3年連続Bクラスは決定的な状況であり、2004年に北海道に移転して以降では最も長い低迷期に入っているこ。今年で10年目を迎えた栗山英樹監督の今シーズン限りでの退任の可能性は極めて高いだろう。

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 後任として最有力と見られているのがチームのOBである稲葉篤紀だ。選手としての実績は申し分なく、東京五輪では侍ジャパンの監督を務めてチームを金メダルに導いている。球界でも指折りの人格者として知られており、選手時代からその人気は絶大なものがあっただけに就任が決まればファンの期待は大いに膨らむだろう。しかし選手時代の2013年にコーチ兼任選手を務めたことはあるが、本格的な指導者としての経験は代表チームのみと決して実績があるわけではない。そんな“新人監督”にチーム再建を託すのは得策なのかという声も聞こえてくる。そこで今回は過去に低迷するチームの監督を任された例を見ながら、再建期のチームに必要な指揮官の要素を探ってみたいと思う。

 2000年以降に新人監督でチーム再建を託されて成功した例と言えば、中日の落合博満監督が真っ先に思い浮かぶのではないだろうか。2004年に監督に就任するとFAやトレードなどの補強を封印してチームの底上げを図っていきなりリーグ優勝を達成。最終的に8年間指揮を執り、一度もBクラスに落ちることなくリーグ優勝4回、日本一1回とチームの黄金時代を築いた。

 成功には様々な要因があるが、やはり大きかったのは選手時代から“オレ流”と言われていた通り、自分のやり方を貫けた点ではないだろうか。キャンプ初日にいきなり紅白戦を行い、前年まで3年間一軍での登板がなかった川崎憲次郎を開幕投手として起用するなど、ある意味独特なやり方でチームを変えようという取り組みを行い、それが選手、球団全体にも浸透していったように見えた。

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DeNAのラミレス監督も低迷チームを指揮