元巨人の脇谷亮太 (c)朝日新聞社
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巨人軍は常に紳士たれ」とチーム憲章にあるように、巨人の選手たちは、社会人の模範になるような行動が求められている。グラウンドでも当然紳士らしくフェアプレー精神に則り……と思いきや、ところがどっこい、過去には、紳士とは大違いの“ずるいプレー”も何度となく演じているのだ。

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 失点を防ぐために守備妨害を演出したとしか思えないプレーが見られたのが、昨年9月17日の阪神戦だ。

 1回表、2点を先行された巨人は、なおも2死満塁のピンチで、木浪聖也の打球は、高くバウンドして、二塁方向へ。セカンド・若林晃弘が前進して捕球に行ったが、タイミング的に内野安打になりそうに見えた。

 すると、若林は左手のグラブをヒョイと一塁方向に差し出した。そこには若林との接触を避けようとスピードを落とした一塁走者・陽川尚将の姿があった。

 打球を処理するはずのグラブで陽川に接触している間に、ボールは後方へと抜けていった。これを見た森健次郎二塁塁審は、守備妨害を取り、陽川にアウトを宣告した。

 矢野耀大監督が抗議したが、「打球を処理する守備優先」という鉄則がある以上、どうにもならない。結果的にルールの盲点を突いた形の巨人は3点目を阻止したものの、自ら当たりに行ったような若林の不自然な動きが物議を醸したのは言うまでもない。

 解説者の巨人OB・篠塚和典氏はさすがに言葉を選びながら「若林はうまく演技してますね」と評したが、阪神OBの関本賢太郎氏は「僕には悪質な……故意にぶつかりに行ったように見えましたけどねえ」と批判した。

 ネット上でも「どこが守備妨害だよ笑」などの非難コメントが相次ぎ、巨人の3投手も、怒りを闘志に変えた猛虎打線に滅多打ちにされて計11失点と大炎上。目先の1点阻止にとらわれた代償は高くついた。

 フライを落球したにもかかわらず、あたかも捕球したかのように演技し、審判の目を欺く事件が起きたのが、11年4月20日の阪神戦だ。

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久保田龍雄

久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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