※写真はイメージ(gettyimages)
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 人は、大人になる過程で頑張って自分の城壁を築いていきます。どんどん社会的に信用されて、人から愛されて友達も増えて、自分が役に立つ人間だということを自覚できたりするようにもなる。そうやって子どもの時よりも自分を守る壁を増やすテクニックを身につけていく。でも、これが人間の面白いところなんですが、自分が予測可能な世界になったときって、ものすごい退屈が襲いだします。壁を作り上げることと破壊することのバランスがちょうどいい人、たまにできないことをやってみようとする人のほうが、長期的な幸せ度が高いように思うんです。

 あと、自分の幸せのために選択肢として何を増やすか考えるときに、「10年先」のイメージを持つとわりとわかりやすいです。例えば僕の今の幸せの一つにゲームの時間がありますが、10年先までゲームを夜中までやっていたいかってなると、ちょっと話が変わってくる。「それはちょっと、どうかな」と思ったら、新しい幸せを仕入れてもいいときなのかもしれません。

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気

AERA 2021年9月27日号

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