林:そうだったんですね。
岸部:だから、音楽のほうの恩人は裕也さんで、俳優のほうは、この道を進むときにオーディションを受けたのが希林さんの事務所だったんです。だから、あのご夫婦は両方恩人なんですよ。
林:そうでしたか。そういえば、このあいだのオリンピックで金メダルをとった卓球の伊藤美誠ちゃんが、コロナの影響でオリンピックが1年延期になったときに映画やドラマをよく見るようになって、「ドクターX」にハマっちゃったって、どこかの報道に出ていましたよ。
岸部:たしかに見始めるとハマっっちゃうんですよね。
林:旬な人にそうやって言ってもらえるとうれしいですよね。「林真理子の本にハマった」って、誰か言ってくれないかなぁ(笑)。今日は楽しかったです。どうもありがとうございました。
(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)
岸部一徳(きしべ・いっとく)/1947年、京都府生まれ。67年、ザ・タイガースのベーシストとしてデビュー。グループ解散後、PYGや井上堯之バンドを経て、75年にドラマ「悪魔のようなあいつ」で俳優に転身。90年にカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「死の棘」で、第14回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。ドラマ「相棒」シリーズ、「医龍」シリーズ、「ドクターX」シリーズ、映画「必死剣鳥刺し」「舞妓はレディ」「一度も撃ってません」など出演多数。映画「総理の夫」が9月23日全国公開。
※週刊朝日 2021年10月1日号より抜粋