だが、高市氏の著書が発売された15日以降、書店での勢力図が一気に変わった。15日と18日、丸善丸の内本店に足を運んだところ、15日時点では、エントランスのある1階で河野氏・高市氏の著書が4面ずつと均等に配置されていたが、18日時点では、1階では河野氏が3面、高市氏が5面に。2階の新書スペースでは、“高市本”が“河野本”の5倍ほどの面数で大々的に積まれていた。

 三省堂書店神保町本店では、新書の週間ランキング(22日時点)で、高市氏の著書が1位。河野氏は5位だった。岸田氏の著書は両氏に比べると展開が薄く、野田氏の著書は在庫がなかった。

 部数面では、河野氏の著書『日本を前に進める』は初版5万部と強気で、出版社からの期待の高さがうかがえた。8月27日の発売以来、何度も重版を重ね、今月17日時点で累計発行部数は5万9000部(4刷)だという。

「テレビなどメディアで紹介されることも多く、おかげさまで売れています」(PHP研究所広報担当者)

 だが、高市氏の勢いはそれを凌駕している。

 前出のワック出版局長によれば、初版は1万7000部だったが、6回にわたる重版で部数を一気に増やし、21日時点で13万7000部。実売もすでに6万部を超えており、刷り部数の5割近くに達しているという。

 発売当初から毎日重版しているような状況です。たった1週間で10万部超えとなった本は弊社でも初めてです。ある大手チェーンの売り上げでは、2位の東野圭吾さんの新刊小説と桁が一つ違います」

 発売後、書店からの評価もがらりと変わったという。

「政治本は売れないイメージを持たれている書店さんは多い。9月5日に先行販売を始めた紀伊國屋書店さんでも、当初はあまり気乗りしない様子でしたが、結果的に大変好調な売れ行きでした。安倍晋三前首相が高市さんの支持に回るというニュースが出てから、風向きが変わったように思います。書店さんからは『政治本でこれだけ売れてるのは驚き』という声もいただいていますし、政治本でこれだけ売れるのは、田中角栄の『列島改造論』以来なんじゃないかと言われたほどです」(同)

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