◆Q 医学部は浪人が多いと聞くが、実際、どのくらいが浪人するもの?

 すべての学部の中で最も難しい医学部では、浪人は珍しくない。国公立は非公表のところが多いものの、東京大などの旧帝大を除いては、学部生の半数以上が浪人生という大学は多い。

「私立大は慶應義塾大を除いては浪人の割合が高く、平均2~3浪で入ってくる。4浪、5浪などが珍しくない大学もあります」(同)

 2018年には女子差別の問題とともに、浪人差別の問題があからさまになり、現在は多浪生(一般には4浪からをさす)がより入りやすくなったと言う。

「当校でも6浪、7浪で合格した人が複数います。実は受験生の面接時の服装として、制服着用が禁止になった大学もあるのです。これは、面接官の先入観を払拭し、現役生と浪人生の差別をなくすための方法だと考えられます」(同)

 ただし、書類を見れば新卒か既卒かはわかってしまうし、そこはきちんとみられる。

「一般的に面接官からの印象がいいのは3浪まで。それ以上になると面接でほぼ確実に『なぜここまで時間がかかっているのか?』を聞かれます。大学も同じ学力であれば、より若い学生がほしいというのが本音。多浪の場合、それが自分にとって、あるいは医師になる上でいい方向に働いていく可能性をアピールしてください」(同)

◆Q 現役受験は最後までE 判定。浪人でどのくらい受かる望みがある?

 七沢さんは、「E判定からの挽回は十分可能」とこんな例を挙げる。

「高3の冬までサッカーをしていて、センター試験直前まで全国大会に出ていた男子がいました。その年の受験は受けることすら無理で、春からうちの予備校に入ってきました。その段階ではもちろん最下位です。しかし、そこから頑張った。中学の勉強からやり直して3年(3浪)で東京医科大に合格しました。やり方によりますが、現役時代がダメだったから、一生ダメかというと、そんなことはないのです」

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