一人10万円給付などのバラマキ政策は止めて真に助けを必要としている人にはるかに手厚い支援を行うべきだという議論はもう何十年も繰り返されているが、そういうことを可能にするシステムがないから、とりあえずバラマキでやりますとして先送りが続いている。例えば、2025年を目標に、真に支援が必要な人に申請をしなくても行政の側から直接支援できる仕組みを作りますということには何故かならない。なぜなら、そうなると所得・収入の一元的把握が必要になり、それが政治家に適用されるととても困るからだ。
国民から見れば、そういう政府は信頼できない。信頼できない政府が、いくら個人情報は守られる仕組みになっていると言っても、そもそも運用している権力者が仕組みやルールを破るかもしれないので意味をなさない。
今必要なのは、食べるのに困る人にすぐに手が差し伸べられる仕組みをマイナンバーで作り、それを実施すること。そして、政治家の資産を全てマイナンバーにリンクさせて脱税と政治資金規正法違反をどんどん摘発すること。この二つをやれば、政治不信が低下し、マイナンバー不信も解消に向かうのではないだろうか。
※週刊朝日 2022年12月2日号