神津里季生会長 (撮影/工藤隆太朗)
神津里季生会長 (撮影/工藤隆太朗)

──共産党との確執、対立の経緯は?

「長い歴史がありますが、1989年の連合結成のときも連合を『反動勢力』などと決めつけ、長年にわたって私たちの仲間にさまざまな攻撃を加えてきました。皇室や日米同盟など国家観でも根本的な違いがあります。よく共産党はかつての姿とは変わったという人もいますが、民主集中制という考え方はいまも変わっていません。

 欧州では共産党が本当の意味で変わり、労働組合が応援する政党と連立政権を組んでいます。イタリアのオリーブの木がよく取り上げられますが、党名や綱領なども含め、本当の意味で変わらないと難しいと思います」

──なかなか恩讐の彼方に、とはならない?

「それは共産党が変わってくれないと」

──野党統一候補が勝った4月の参院長野補選では、立憲と共産の県組織が政策協定を直接結んだことが連合で問題視され、枝野代表が陳謝しました。

「選挙カーの上でダイレクトに手を握られてしまうと、地方連合会の運動員の方たちの腰が引けてしまい、選挙応援の士気にも影響してくるのです。お互い目的と立場をわきまえて済々と進めていけばいいことです」

──政権交代のために、連合にできることは?

「旧民主党政権が掲げた理念・政策は重要なものばかりでした。でも、いまのようにバラバラになってしまうと、どんなにいい政策を提言しても、有権者の信頼を得られない。立憲と国民が力を合わせることができるよう、われわれも応援し続けたいと思います」

(本誌・亀井洋志)

週刊朝日  2021年10月8日号