中村メイコさん(右)と林真理子さん (撮影/張溢文)

中村:それから2年半ぐらいたってからですけどね。

林:結婚なさってもう50年以上でしょう? こんなに続いてらっしゃるご夫婦って……。

中村:芸能界ではあまりいないですね。でも私、神津善行さんという人、そんなに好きじゃないの。

林:え~っ?(笑)

中村:会話もなんか小難しいし、いまだに仲良くもないですよ。両方とも面倒くさがり屋なんです。別れて記者会見とかいろいろやって、また新たに人を好きになるとかって、面倒くさいですもん。

林:そんな夢をこわすようなこと言わないでくださいよ(笑)。大事なものも全部捨てて、最後に残ったのは夫だけ、小さなおうちで二人仲良く寄り添って暮らしているというのが、この『大事なものから捨てなさい』という本の結末だと思ってるんですから(笑)。今は、お料理はどなたが?

中村:私、2年前にケガしてから脚が不自由になったので、このごろはおとうさん(神津さん)。

林:お掃除はどなたが?

中村:おとうさん。

林:お風呂に入るときも、ご主人が手伝ってくれるんですか。

中村:「お風呂入ります」って言うと、お風呂場まで連れていってくれて、「脱衣所のドアは半分開けておきなさい。出るときは『出ました!』って言ってよ。すぐ迎えに行くから」とか言われて。

林:なんだ、ラブラブじゃないですか(笑)。

中村:フフフッ。

林:メイコさん、おうちでお酒も飲まれるんですか。

中村:はい、安いスコッチを。林さん、お酒飲むんですか?

林:すごく飲みます。

中村:今度プライベートで飲みましょうよ。そのときは今日しゃべっちゃいけなかったことも全部しゃべっちゃう(笑)。

林:わっ、それはすごい楽しみ!

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

中村メイコ(なかむら・めいこ)/1934年、東京都生まれ。父は作家の中村正常、母は女優チエコ。2歳8カ月のとき、映画「江戸っ子健ちゃん」のフクちゃん役でデビュー、天才子役と呼ばれ、テレビの草創期から活躍。NHK紅白歌合戦の第10回から3年連続で紅組司会を務めたほか、ラジオ、舞台など出演多数。57年に作曲家、神津善行と結婚。長女は作家のカンナ、次女は女優のはづき、長男は画家の善之介。自身がトラック7台分のものを手放した経験を書いた『大事なものから捨てなさい』(講談社)が発売中。

週刊朝日  2021年10月8日号より抜粋

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