忘れてはいけないのは、今は12歳以上しかワクチンを接種できないということです。11歳以下の子どもを守るには、ウイルスと遭遇する機会をできる限り減らしてあげるしかありません。可能な人はワクチンを接種し、マスクや換気、手洗い、3密回避などによって、感染拡大をなるべく制御して地域の感染者数を少なくすることが大切です。
感染防御対策を徹底した昨年、インフルエンザがまったく流行しなかったために、インフルエンザへの免疫を持つ子どもが減っています。その意味ではこの冬、インフルエンザが流行する可能性は高くなっています。大きな流行が起これば、小児科などを中心に例外的に医療体制に負荷がかかることもありえます。インフルエンザも新型コロナウイルスも感染防御対策は同じなので、両方を防ぐために、緊急事態宣言解除後も当面、これまでの対策を維持していただきたいです。
(構成/科学ジャーナリスト・大岩ゆり)
※AERA 2021年10月11日号より抜粋