指導者にとって若手の育成以上に難しいのが、ベテランの再生だ。中島を復活させた石井コーチの手腕は評価されてしかるべきだろう。移籍1年目の19年は43試合出場で打率・148、1本塁打。背水の陣で迎えた20年に代名詞だったバットを大上段に掲げる構えからグリップの位置を両肩より下げ、左足の上げ幅を小さくした打撃フォームに改造した。石井コーチがマンツーマン指導し、様々な種類のティー打撃練習を提案するなどスイングを修正することで、広角打法を取り戻した。昨季は100試合出場で打率.297、7本塁打、29打点。今季も中田翔がシーズン途中に日本ハムからトレードで加入したためベンチを温める時期もあったが、69試合出場で打率.274、6本塁打。得点圏打率.404と勝負強い打撃は健在だ。

 石井3軍コーチ、阿部1軍作戦コーチを据えた「新布陣」でシーズン終盤のヤマ場となるヤクルト戦に臨んだが、5日は2-3と競り負け、6日は0-3と零封負けを喫した。

「これからの試合は1つも落とせません。大型連勝をするためには打線の爆発が必須です。やるのは当然選手たちですが、貧打を打開するためにベンチワークも重要です。原監督、阿部1軍作戦コーチの手腕が問われます」(スポーツ紙記者)

 他球団を驚かせた首脳陣のテコ入れは吉と出るのか――。(梅宮昌宗)

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