ここまで介護を頑張れたのは、もちろん母のことが大好きだったのが一番ですが、三つあります。
一つ目は「(母が間違えたことをしても)決してたださず、ありのままを受け止める。母のやりたいようにさせた」ということ。無理に押し付けると遠回りになる。母には笑っていてほしかったから、お菓子しか食べないというときは「はい、はい」と受け入れました。
二つ目は、兄と協力し、一人で抱え込まずにすんだことです。
そして三つ目が「徹底して味方となる存在に愚痴を聞いてもらう」です。夫には「何にも言わないで。聞いてくれるだけでいい」と頼みました(笑)。解決策を聞きたいわけじゃない。ただただ聞いてほしいときに人生の味方がそばにいるというのは本当に救いです。どんなときも否定せず、「うん。うん」と笑顔で私を受け止めてくれた夫には感謝しかありません。
母を送ったばかりの今はまだまだ寂しいけれど、2人でこれから楽しい老後を送ろうね、と話しています。
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※週刊朝日 2021年10月22日号