アストロズは絶対的なエース不在で今季も6人ローテを敷いていたが、DHは若き強打者ヨルダン・アルバレスでほぼ固定。そのうえ今後数年はホセ・アルトゥーベ二塁手やカルロス・コレア遊撃手、アレックス・ブレグマン三塁手ら生え抜きの強打者たちとの契約延長問題が続く。大谷獲得を望むならば、彼らのうち数人は残留をあきらめる覚悟が必要となるだろう。

 ドジャースなどのナ・リーグの強豪は現時点でDHが使えないのがネック。これは今オフにも結ばれる新労使協定で両リーグにDHが採用されればクリアできるが、現時点で確実に採用される保証はない。

 このように、投げてはエース、打っては主砲の活躍を一人でできる大谷だが、大谷を中心としたチーム作りは案外とハードルが高い。これらをなんとかクリアして大谷を迎え入れるチームが現れるのか、それともエンゼルスが補強戦略で妙案をひねり出して大谷との再契約にこぎつけるのか。今オフから来オフにかけてのエンゼルスの動向が全てのカギを握っている。(文・杉山貴宏)

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