※獲得議席予測、各選挙区の当落予測については調査の結果ではありません。公示日前に識者2人が予想しました。 (週刊朝日2021年10月29日号より)
※獲得議席予測、各選挙区の当落予測については調査の結果ではありません。公示日前に識者2人が予想しました。 (週刊朝日2021年10月29日号より)

 相変わらずの「国会軽視」も露呈した。衆院選を控え、岸田内閣の政治姿勢を国民に詳らかにするため、野党は予算委員会開催を求めたが、政府・与党は拒否した。

 野上氏が続ける。

「予算委員会を開けば、甘利氏の『政治とカネ』の問題はじめ、森友・加計問題や桜を見る会などの疑惑を野党は徹底的に追及してくるでしょう。格差是正の観点から、総裁選で看板政策に掲げた金融所得課税の強化について、『当面は触ることを考えていない』と早々に引っ込めたことも問われることになる。イメージダウンを恐れたのではないでしょうか」

 所信表明演説に対する代表質問で、岸田氏はアベノミクスを評価し、「民主党政権の失敗から学んだ」などとくり返した。立憲の森ゆうこ副代表に「まるで安倍元総理が乗り移っているように見えた」と一喝される始末だ。

※獲得議席予測、各選挙区の当落予測については調査の結果ではありません。公示日前に識者2人が予想しました。 (週刊朝日2021年10月29日号より)
※獲得議席予測、各選挙区の当落予測については調査の結果ではありません。公示日前に識者2人が予想しました。 (週刊朝日2021年10月29日号より)

 では、衆院選ではどのような結果が待ち受けているのか。本誌は政治ジャーナリストの野上氏と角谷浩一氏に、各政党の獲得議席数と全選挙区の当落予測を依頼した。

 その結果、自民は「37議席減」(野上氏)、「33議席減」(角谷氏)と、いずれも大きく議席を減らす予想となった。

「コロナ禍で行われる今回の選挙は、集会が行えるかなど通常と条件がかなり異なる。それだけ、予想外の結果が出る可能性があります」(角谷氏)

 今後の情勢次第では40議席減、よもやの単独過半数(233議席)割れも視野に入る。

※獲得議席予測、各選挙区の当落予測については調査の結果ではありません。公示日前に識者2人が予想しました。 (週刊朝日2021年10月29日号より)
※獲得議席予測、各選挙区の当落予測については調査の結果ではありません。公示日前に識者2人が予想しました。 (週刊朝日2021年10月29日号より)

 岸田氏は9月末の自民党総裁就任会見で、衆院選の勝敗ラインを「与党で過半数」と設定して予防線を張ったが、40議席も減らしたら「勝利宣言」などあり得ず、大誤算というほかないだろう。角谷氏がこう話す。

「コロナ禍で生活が苦しくなった人は数多くいますが、第6波を前に、岸田政権はコロナ対策について明確な処方箋を出せていない。大盤振る舞いした東京五輪は、収支すらよくわかっていない。安倍・菅政権のツケは支払われておらず、有権者の怒りは都市部を中心に根強い。岸田氏は『未来選択選挙』と言っていますが、誰もそうは捉えていないのではないか」

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