「高橋周平は東海大甲府で高校通算71本塁打を放っています。バックスクリーンから逆方向にも飛ばせるスラッガーで将来はホームランバッターとして注目されましたが、プロで試行錯誤してミートに特化した打者になった。もちろん、それもプロで成功するための術だと思いますが、能力を考えると18年の11本塁打が最多は少なすぎる。もっと振っていいと思うんですけどね。中日は本拠地が広いナゴヤドームであることを意識してか、コンパクトな打撃をする選手が多い。単打を重ねてもなかなか得点は入らないし、長打がない打線は投手も伸び伸び投げられる。球団は打者の育成方針から見直した方が良いように感じます」

 決して、非力な打者が多いわけではない。高橋だけでなく、堂上直倫や平田良介も高校時代は「超高校級スラッガー」として本塁打を量産していたが、プロに入ると打撃スタイルが小さくなっている。

「パリーグに比べてセリーグは空振りするのを良しとしない空気がありますが、振っていかないと長打も出ない。筒香嘉智(レイズ)、村上宗隆ヤクルト)は三振が多いが、球界を代表するスラッガーに成長しました。長距離砲になるには三振を避けて通れないので、割り切りも必要です」(スポーツ紙パリーグ担当記者)

 今季の打者の三振数でみると、中日の961はリーグ最少。ヤクルトの1047を下回るが、この数字が評価されるかというと疑問符がつく。「振る力」も得点力アップへ、不可欠な要素だ。(牧忠則)

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