青山学院大は、出雲を2位でゴールした。分厚い選手層で安定したレースを展開できるのが強みで、近藤幸太郎(3年)が出雲1区で区間賞をマークするなど頼れる存在へと成長したことで爆発力も備わってきた。全日本のエントリー16人中8人を占めた3年生を中心に、出雲3区で区間3位だった佐藤一世(2年)、4区で区間6位だった若林宏樹(1年)の成長にも期待。距離が伸び、走る人数が増えれば、総合力の高さが、より一層、発揮されるはずだ。
出雲で3位に食い込んだ東洋大は、改めて“駅伝での強さ”を見せつけた。宮下隼人(4年)、松山和希(2年)の“ダブルエース”が出雲では不出走だったにも関わらず、昨年の箱根でも往路2位から総合3位に入った経験を生かしながら序盤からしぶといレースを展開すると、5区で5000mの前高校記録保持者の石田洸介(1年)が区間賞の走りで4人抜きを披露した。宮下、松山の2人にスーパールーキー・石田以外にも好ランナーを揃え、大きな可能性を秘めているチームと言える。
昨年の箱根のメンバーが9人残っている早稲田大は、中谷雄飛(4年)、太田直希(4年)、井川龍人(3年)の10000m27分台の3人の存在が光る。出雲では期待値以下の6位に終わったが、石塚陽士(1年)、伊藤大志(1年)のルーキー2人が駅伝デビューを果たし、特に石塚は4区で区間賞の走りを見せた。全日本で個人、そしてチームとして自信を深めることができれば、前回総合6位だった箱根でも堂々と優勝争いに加われるはずだ。
その他、出雲で4位だった國學院大も改めて上位争いを展開できる力を見せ、10月23日に行われた箱根駅伝予選会を断トツで制した明治大も経験豊富な実力者たちが揃っており、上位争いが可能。出雲10位だった順天堂大も、オリンピアン・三浦龍司が復帰すれば一波乱起こせる力があり、昨年の箱根で惜しくも総合2位となった創価大の存在も忘れてはならない。