ただ、それでも東京国際大の“出雲制覇”は大きなインパクトがあった。出雲では「アンカーにヴィンセントがいる」という心理的優位性から、暑さの中でも思い切ったレースを展開できたが、決して「ヴィンセント頼み」のチームではない。日本人エースの丹所の充実ぶりは非常に頼もしく、主将の三浦瞭太郎(4年)や1年時に箱根7区で6位、2年時に箱根8区5位の実績を持つ芳賀宏太郎(4年)も控えている。今後、全日本、箱根と、ライバル校からのマークが厳しくなることが予想されるが、出雲での勢いのまま全日本も制することができれば、来春の箱根での期待も高くなる。
今春の箱根では、創価大が初の総合優勝まで“あと一歩”まで迫ったが、最後は駒澤大の追い上げの前に屈した。だが近年、新興校が躍進は目覚ましく、「初優勝校」誕生への機運は間違いなく高まっている。今年も本命は駒澤大だ。だが、駒澤大がどこかで躓けば、いや、例え躓かなくても、東京国際大が全日本、そして箱根でもトップでフィニッシュできる可能性は十分にある。