片野清美園長(撮影/写真部・張溢文)
片野清美園長(撮影/写真部・張溢文)

「実は岸田首相はうちの保育園に視察に来られたことがあるんです。4年ほど前に、後藤茂之厚労相や小泉進次郎前環境相など数人で視察に来られました。その時にぜひ待遇改善をとお話ししたので、その面で期待はしたいです。今のままでは、なり手が少ない状況を変えられません」

 エイビイシイ保育園は学童保育も運営している。そのため、ほとんどの園児が、0歳で入園してから小学校卒業の12歳まで過ごすことになる。「地域で育てられた子は地域に戻ってくる」と片野さんは話す。

「来年、うちの卒園生が保育士として帰ってくることが決まったんです。そのほかの卒園生も地元に残って立派に働いている子ばかり。行政は税金を使うことに抵抗があるのかもしれませんが、税金で育てた子はちゃんと税金を納める大人になるんですよ」

 新宿には夜間保育を必要としていても、無認可施設に預けるしかない親がいる。片野さんには、ずっと持ち続けている構想がある。

「新宿にもうひとつ、24時間保育園を作りたいと思っています。それで救われる子もたくさんいるはずです」

 日常を取り戻しつつある今だからこそ、政治は「経済を回す」人たちの後ろにいる子どもたちにも目を配ってほしい。(AERAdot.編集部・大谷奈央)

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