![愛子さまは12月1日、20歳の誕生日を迎える。会見で何を語るかが注目される(宮内庁提供)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/8/8/682mw/img_8824bdac78d6b07e58f7c38e26052b1169149.jpg)
清子さんが控えた「責任ある立場」に就く女性がまだ少ないから、日本のジェンダーギャップ指数は21年も120位。それを「とても残念なことです」と語ったのは佳子さまだ。10月10日、「国際ガールズメッセ」でのビデオによる挨拶だった。「今後、ジェンダー平等が達成され、誰もがより幅広い人生の選択肢を持てるようになることを、自らの可能性を最大限いかす道を選べるようになることを、それが当たり前の社会になることを切に願います」と述べた。それが佳子さまの時代感覚だ。
そして天皇陛下の長女愛子さまが今年12月1日、20歳になる。成人にあたっては、記者会見が恒例になっている。愛子さまはそこで、何を語るだろうか。
■困難は国民全体のもの
「成人前からの公務開始」という清子さん、眞子さんの路線を愛子さまは取っていない。母の雅子さまが「適応障害」という病を得て、長く苦しんでいることが影響しているかもしれないと想像する。令和になってすぐに「コロナ禍」が広がったという事情も大きいだろう。そもそも皇室全体で、国民と直接触れ合う機会が激減している。
「愛子天皇待望論」がメディアから消えることがないのは、悠仁さまは「次男の長男」で愛子さまは「長男の長女」という“ねじれ”があるからだ。それなのに政府は、「女性、女系天皇」問題の議論を避けている。
怠慢ではないだろうか、と書いたところで眞子さんに戻る。
会見の最後、眞子さんはこう言った。「今、心を守りながら生きることに困難を感じ傷ついている方が、たくさんいらっしゃると思います。周囲の人のあたたかい助けや支えによって、より多くの人が、心を大切に守りながら生きていける社会となることを、心から願っております」
昨年11月、眞子さんは「お気持ち」を発表、「結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」と訴えた。この時に感じた「心を大切に守りながら生きることの困難さ」を眞子さんは国民全体のものと捉えていた。そして、「心を大切に守りながら生きていける社会」となることを望んでいた。
眞子さんはこれまでも今も、「公」と共にある。そう思うと、とても切ない。(コラムニスト・矢部万紀子)
※AERA 2021年11月8日号
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