丸山茂樹
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 日本で5年ぶりの優勝を果たしたプロゴルファー・松山英樹氏。現場にいた丸山茂樹氏はその圧巻ぶりに舌を巻く。

【写真】日本で5年ぶりの優勝を果たした松山英樹選手

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 いやあ、圧巻の勝ち方でしたね。期待されてるのが分かっててあれができるのは超人です。並じゃないです。改めて思いました。

 2年ぶりに国内開催となった米PGAツアーの「ZOZOチャンピオンシップ」(10月21~24日、千葉・アコーディア習志野CC)で、松山英樹(29)が2位に5打差の完勝です。米ツアー通算7勝目で、日本での優勝は5年ぶりのことでした。テレビ解説のお仕事で行かせてもらって、ゴルフ場に戻ってきた大歓声に、最終日は何度もゾクゾクしました。

 1打差のトップで出た最終日は、10番でアメリカのキャメロン・トリンゲール(34)に逆転されました。あそこで、本人も言ってたように「逆転されるのは想定内だった」と。あの冷静さですよね。英樹のすごさは。抜かれても終始冷静に、ギャラリーのみなさんの力も借りて最後までできたというのが大きなポイントだと思います。

 11番で10メートルのパットを入れて追いつき、13、15番でバーディー。18番(パー5)を迎えたところで、同組で2位のトリンゲールに2打差。トリンゲールが2打目を崖下に落とし、ほぼ勝利は英樹の手の中に。

 英樹は攻め抜いて、セカンドショットをピンまで3メートルにつけました。「これだけ日本のみなさんが応援してくれるんだから頑張らないと」という気持ちが、あのショットにつながったんだと思います。イーグルで締め、歓喜の瞬間が訪れました。

 このところ惜しいところで優勝を逃すときはパットが入らなかったりしましたけど、今回はしっかり入れましたね。試合のあとに英樹と電話でしゃべったんですけど、「やっぱり英樹はパターうまいんだよ」って。ラインを読むのもタッチもすごいし。「アメリカで入らないのは気持ちの問題だけでしょ」って言ったら、「ほんとにそうなんです」と。日本のファンのみなさんの後押しがあったから、気持ちの問題も和らいだんだと思うんですね。

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