てなことで、鬼ケ島へのお供は「鬼」に決まりました。桃太郎と鬼は鬼ケ島へ向かう途中、犬と猿とキジに出会いました。3匹「また、きび団子ください、桃太郎さん!」桃太郎「これからのお供は鬼なの! なんでお前ら連れていってたのか、自分でもわかんないよ!」3匹「そんな」鬼「(3匹見て)え!? この生き物、なにっ!? 怖いっ!!助けてーーーっ!」。一目散に逃げていく鬼。
どうも鬼は、動物……特に犬・猿・キジ系が苦手だったみたい。でなきゃ、この3匹で鬼退治出来るわけがありません。物語には出ない3匹の採用理由はこれでしょう、合格基準なんてそんなもの。そして現在も桃太郎は犬、猿、キジをお供に連れて鬼退治に行くのです。勿論3匹はお婆さんのきび団子が大好き。ちなみに会場の楽屋に出しても、メイウェザーさんは手も付けなかったそうです。
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。この連載をまとめたエッセー集の第1弾『いちのすけのまくら』(朝日文庫、850円)が絶賛発売中。ぜひ!
※週刊朝日 2022年11月18日号