藤井は竜王戦第3局2日目午前、アイスカフェラテ、温泉まんじゅう、味噌まんじゅうを選択。地元の名物、銘菓を意識して注文するのも藤井流だ(写真:日本将棋連盟提供)
藤井は竜王戦第3局2日目午前、アイスカフェラテ、温泉まんじゅう、味噌まんじゅうを選択。地元の名物、銘菓を意識して注文するのも藤井流だ(写真:日本将棋連盟提供)

 豊島らしい辛抱のよさではあったが、形勢の針は次第に藤井よしへと傾き始める。

 互いに相手陣に飛車を成り合っての終盤戦。一手でも誤ればすぐに逆転する終盤を、藤井はほぼノーミスで突き進んでいく。最後はさえた攻防手で、藤井がきれいな一手勝ちを収めた。

「砂蒸し風呂を楽しみにしていると言っていたじゃないか」

 そう感じた観戦者もいただろう。藤井は開幕前、第6局が行われる鹿児島県指宿市で名物の砂蒸し風呂が楽しみと言っていた。しかしそこまで行かないうちに、藤井がシリーズを終わらせてしまう可能性もある。(ライター・松本博文)

AERA 2021年11月15日号より抜粋

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松本博文

松本博文

フリーの将棋ライター。東京大学将棋部OB。主な著書に『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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