NHK杯で女子フリー演技をする河辺愛菜

 またNHK杯には、紀平の負傷による繰り上がりで一昨季全日本ジュニア女王の河辺愛菜も出場した。グランプリシリーズ初戦のスケートカナダではショートプログラム冒頭のトリプルアクセルを失敗しているが、このNHK杯のショートでも果敢にトリプルアクセルに挑み、2.06の加点がつく出来栄えで成功させている。フリーではトリプルアクセルで転倒したもののその後のジャンプを決め、2位となって表彰台に上がった。

「試合で(トリプル)アクセルを決められる確率が、少しずつですけど上がってきてはいるので、全日本までスピンとかステップも練習して、完璧な演技を見せられるように頑張りたいです」(河辺)

 NHK杯でのメダル獲得により、河辺は北京五輪代表候補としての存在感を一気に増したといえる。

 紀平とNHK杯に出場した3人に三原舞依、樋口新葉、宮原知子らも加えた代表候補たちの全日本での結果の重要性が増している。12月22日からにさいたまスーパーアリーナで行われる全日本選手権は、熱い戦いになりそうだ。(文・沢田聡子)

●沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」

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