
2018年に亡くなった樹木希林さんの「一番弟子」と言われるほど親密だった浅田美代子さんが二人の思い出を綴った本『ひとりじめ』を上梓しました。プライベートでも仲良しの作家・林真理子さんとの対談では、樹木さんとの思い出から、浅田さんの現在まで語り尽くしました。
【樹木希林さん、ドラマ演出家の不倫暴露も “一番弟子”浅田美代子が振り返る】より続く
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林:この本は、希林さんのこととリンクしながら、美代子さん自身のこともいろいろ書いてるんですよね。50歳以上の人はみんな覚えてると思うけど、「時間ですよ」で屋根の上でギター弾きながら「赤い風船」を歌って……。
浅田:すいません(笑)。
林:あのときの美代子さんのかわいさって、いままで見たことのないかわいさだった。上白石萌音ちゃんを見てると、あのときの美代子さんをちょっと思い出すけど。
浅田:それ、ときどき言われる。「雰囲気似てるね、昔の美代ちゃんに」って。
林:やっぱり。美代子さんって、何の苦労もしていない東京麻布生まれのお嬢さまだと思ってたら、けっこう家庭で苦労されてたんですね。ご両親が離婚されたり。
浅田:そうですね。父親のことは、確かにみんな知らなかったことかもしれない。
林:お父さまは家庭人として、ちょっと問題ある方ですよね。
浅田:そう。その父親のことにも希林さんが出てくるんですよ。私は父親を絶対許せなかったんだけど、「もう許してあげなさい。お墓参りに行ってあげなさい」って言われて、それで私はお墓参りに行くようになったんです。
林:そうなんだ。美代子さんの結婚のときも希林さんがかかわってるんですよね。
浅田:周りはみんな反対だったのに、希林さんは背中を押してくれました。いつも節目節目に希林さんがいましたね。
林:結婚したのが19歳?
浅田:19歳で知り合って、21歳で結婚しました。
林:当時は携帯がなかったから、彼(吉田拓郎さん)、実家に「吉田ですけど」って電話かけてきたんでしょう?