圭さん叩きの空気はここにあると思う。「天皇陛下の初孫」と帝国ホテルで結婚式をするはずが一転、「借金を返さない人」になった。現実がしんどいからドラマには幸福を求め、すごい結婚目前でつまずいた人の不幸で溜飲を下げる──。
しかも。相手は反論してこない。これは叩き放題だと、叩きたい人は思う。宮内庁の沈黙はホームページの「皇室関連報道について」を見れば一目瞭然だ。
2007年以降のメディアに対する指摘は全51件だが、圭さんと眞子さん関連は3件。しかも対象は2人ではない。問題とするのは、「上皇后さまの名の下に様々な事実に反する報道がなされていることに上皇上皇后両陛下も深く傷つかれ、お心を痛めておられる」(20年12月、「週刊新潮」への抗議から)点だ。
秋篠宮家に関連する報道全般に宮内庁は同様の姿勢で、頻繁に目にする紀子さまへのバッシング報道に抗議したことは一度もない。結果、秋篠宮家報道は治外法権状態になっている。
そこに一石を投じたのが、成城大学の森暢平教授だ。毎日新聞記者時代に皇室を担当、「サンデー毎日」で「社会学的皇室ウォッチング!」を連載中。9月11日号の見出しはこうだ。
<佳子さま「歯科医交際」の『女性自身』は偽情報>

■「誤報」放置忍びない
学習院の同級生である歯科医Aさんを「本命恋人」だと報じた「女性自身」(8月23・30日号)に、森さんはこう反論した。
「複数の関係者に確認し、佳子さまと若手歯科医Aさんは恋人関係にない、とはっきりと断言できる。佳子さまは、Aさんの父親である院長に歯の治療をしてもらっていただけだ」
森さんに話を聞くと、取材の糸口は歯科医院を出る佳子さまの写真だったという。そこにAさんが写っていないことへの疑問を端緒に取材を重ねたところ、はっきり誤報という確証が取れた。一方で記事を信じている人がたくさんいる現状に、「誤報を誤報のまま放置するのは忍びないし、何より佳子さまが気の毒だと思った」と森さん。