小室圭さんがニューヨーク州の司法試験に合格した。だが、一部の週刊誌報道やSNS上でのバッシングはやまない。現代の日本において、皇室の情報発信はどうあるべきか。2022年11月14日号から。
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「このたびはおめでとうございました。眞子さんとお祝いする時間は持てましたか?」
11月1日、ワイドショーが朝から何度も小室圭さんの姿を映した。女性レポーターがマイクを差し出し、「日本でも応援する人がいたと思うんですが、何か一言ありませんか?」。
無言で歩き続ける圭さんを「ガン無視」と評したコメンテーターもいた。確かに、止まって頭を下げるだけでも印象は違ったと思う。が、一切関わらないという決意すら感じさせる圭さんの気持ちも想像に難くない。
試験合格が明らかになった直後のワイドショーは「年収3千万円」などとはしゃいでもいたが、週刊誌は違った。合格後に出た記事の見出しをまとめると、「有頂天が夫婦危機を招きそうな圭さんは皇室丸抱えのセレブ合格で、それは母の佳代さんと圭さんの『逆襲』でもあり、次なる母子の『野望』は眞子さん妊娠で、カギを握る『女医』のいる眞子さんは学芸員としては実力不足」となる。
ツイッターも相変わらずだ。合格後も「#小室圭」投稿者は税金投入を言い募る。渡米後に週刊誌が報じた「2人の警備費=年8億円」説を固く信じて、怒っている。メディアと国民が情報を行き来させ、悪意を膨(ふく)らませる構図が見えて、圭さんの態度も無理からぬと思う。
■現実がしんどいから
重なったのが、ベテラン脚本家の言葉。『ネットと朝ドラ』という本の中で、令和最初の朝ドラ「なつぞら」を書いた大森寿美男さんがこう言っていた。
「最近の朝ドラでは不幸は除外したい要素なんですよ。いや、朝ドラに限らずかな、日常がしんどいのにドラマまでしんどいものは見たくないという反応があるので、スタッフ側は排除しよう排除しようとする」