大倉:いろんな要素があるのに、それがごちゃごちゃせずにぐっとくるのは人との絆が根底に描かれているからだと思うし。僕らもライブを作っているけど、笑いあり涙ありで、全部を組み込むのはすごく難しい。でも、それが成立したエンタメになっているのが大好きなところで、それを熱く伝えられるのは斗真くんの説得力だと思います。
横山:斗真は義理人情に厚いし、お酒飲むとジャニーズのエンタメについて熱く語ったりする。そういう斗真の人柄が、玲二とリンクして人を引き付けるんやろうなって。毎回全裸になっているオープニングも斗真らしい。
生田:僕が一番共感したのは、パート1で玲二が童貞を捨てるシーンで果てそうになると、上司役の皆川猿時さんや遠藤憲一さんの顔を思い出してこらえようとするところですね。
全員:(笑)。
生田:あれは、男ならみんなわかるだろうっていう(笑)。
いまの「世界線」に感動
──シリーズのスタートから約8年。お互いどう進化したのか。
生田:オリンピックの番組で関ジャニ∞が歌ってヒナ(村上)が司会やっているのを観て、「どの世界線に来たんだろう」という不思議な気持ちになりました。オリンピックに感動しつつ、その光景にも感動するっていう。
村上:1作目の時は斗真に対して、「すごいな。おめでとう」という気持ちがありましたけど、ファイナルまでの8年の間にいろいろな経験をして、今ではこの作品の主役であることにそんなに驚きがない、というのが進化を表していると思います。
生田:自分では8年でどう成長できたのかわからないですけど、例えば膨大なセリフを覚える時とか、もうすぐ舞台の初日なのに「これじゃ間に合わない」と思う時とか、そうやって追い込まれる場面は何度かあったんです。でも、それを乗り越えてきた経験によって、もう「何とかなる」ってわかるんですよね。自分を信じる力は養ってこれたのかなと思います。
村上:確かに何が起きても驚かなくなってきたな。ハプニングがあっても、「あ、このパターンね」って思って動じなくなったし、実際何とかなってしまう。
生田:またオリンピックの話になっちゃうけど、(櫻井)翔くんも司会をやってて。生放送で「誰かが間に合わない」みたいな時は、昔だったらドキドキしながら観てたけど、もうドキドキしないもん。「絶対何とかするんだろうな」って。関ジャニ∞のみんなも修羅場をくぐってきた人たちだから、そのタフさはなかなか他のグループが勝てない部分だと思いますね。
村上:経験したくない修羅場もありましたけど(笑)、結果として糧になっていますからね。
(構成/ライター・小松香里)
※AERA 2021年11月29日号