写真はイメージです(Getty Images)
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 晩婚化に伴い、マイホーム購入の平均年齢が上がっている。金融機関が貸してくれる時代とはいえ、ローンは早めに完済したほうがベターだ。それでも人生は予期せぬことが起こりうるもの。リアルな事例や最近の不動産事情を探った連載「それでも夫婦は東京に家を買う」。今回は、20代で計画的に戸建てを購入した夫婦の事例を検証する。

>>【前編:家を買うのが早すぎた?「子ども部屋を見ると悲しくなる」 戸建て購入37歳共働き夫婦の後悔 】を読む

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<30代後半Aさん夫婦のケース>
10年前に27歳で神奈川県の郊外の住宅地に戸建てを購入。広さを優先した分、利便性は犠牲にして通勤は片道1時間半かかる。ローンの返済は順調だが、予想外だったのが、がんを患ったこと。子どもが授かりにくくなってしまい、せっかく作った子ども部屋を使用する予定はないという。

◆ 80歳までローン返済…早い段階で購入することは“正解” 
 

 Aさん夫婦の事例をライフプランという視点から考察してみよう。ローン完済までの余裕が生まれ、返済計画も安定しやすいことから、早い段階で家を購入すること自体は間違っていない選択だ。

 今は晩婚化の影響もあり、家を買う年齢が上昇傾向にある。最新の住宅市場動向調査(令和元年度・国土交通省住宅局)によれば、初めてマイホームを購入する人(一時取得者)の平均年齢は、注文住宅が39.1歳、分譲戸建住宅が36.8歳、分譲マンションが39.4歳、中古戸建住宅が42.8歳、中古マンションが44.8歳と、40歳前後。これに伴い、住宅ローンの完済年齢も上がっており、以前は最長70歳までが一般的だったところが、現在は最長80歳まで延長して設定している金融機関が増えている。

仮に40歳で家を買うとなると、35年ローンを組めば完済が75歳と定年退職後の年齢になる。大手不動産会社出身で、住宅購入における資金計画に詳しいファイナンシャルプランナーの飯田敏さん(FPフローリスト)は言う。

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