従来型労働への反発

 現在、夫婦合わせて約3000万円の年収。その後、4億円まで増えた資産は国債、値動きが安定的で分配金が充実している米国ETF、REIT(不動産投信)で“守り”の状態に。

「米国がテーパリング(量的金融緩和規模縮小)のフェーズに入ったので、運用効率より安定を重視して組んでいます」

 その結果、配当収入は、月平均40万~50万円になった。

「最近のFIREブームは、従来型の労働へのアンチテーゼだろうと。これを機に、週3日間勤務や使途制限のないサバティカル休暇など、多様な働き方・休み方が普及するといいですね。いずれにせよ、今後も私は働き続けるでしょうけど」

 FIRE、三者三様。いずれも達成できて幸せなのは「FI(経済的自立)」の部分であり、「RE(早期退職)」でのんびりすることではなかった。(金融ジャーナリスト・大西洋平、編集部・中島晶子)

AERA 2021年12月6日号

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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