チームマネジメントの在り方は大きく変わった。選手のパフォーマンスを上げ、どうチーム力を最大化するか。その一点に尽きる。これまで野球界で広がってきた作戦面や起用法に関するセオリーというものは、選手の成長やモチベーションに影響を与えるなら、見直さないといけない。例えば、ミスを責め選手を萎縮させてしまうこと、作戦面で多くのことを求めすぎて、選手の思い切りの良さをそいでしまうことなども含めてである。
ヤクルトとオリックスはともに、昨年は最下位に沈んだチームである。どんなチームであっても大きく変わることができる。そしてこんな戦いを経験している両軍はもっと強くなる。敗れた残り10球団の選手たちは何を思い、この日本シリーズを見ているだろうか。選手は自主トレ期間も心技体を磨いてもらいたい。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※このコラムは11月27日より前に執筆されました。
※週刊朝日 2021年12月10日号