現在の和歌山1区は、県庁所在地で都市部の和歌山市が中心でそこは大きく変わらず、和歌山2区と3区で1つの小選挙区となるとみられる。
2区は自民党の石田真敏元総務相の選挙区だ。つまり、二階氏か石田氏か、どちらになるかの調整が必要となる。
「大物の中の大物、二階先生と大臣経験のある石田先生。地元の県連で調整できるレベルの話ではありません。ただ、世耕弘成参院議員がそろそろ衆院へ鞍替えするのではないかという話もあります。世耕氏が衆院に鞍替えし、二階先生、石田先生のどちらも引退という案を口にする人はいますね。正直、恐れ多くて、この問題についておおっぴらに話をする地方議員はいませんよ」(和歌山県の自民党県議)
大物議員らの窮地に助け船を出そうとしているのが、細田博之衆院議長だ。
12月1日の毎日新聞は、<細田博之衆院議長は11月30日、自民党の高木毅国対委員長と国会内で会談し、「3増3減」を軸とする法改正などの検討を要請した。党関係者によると、「3増3減」は細田氏の独自案とされ、東京都2増、神奈川県1増、長崎、愛媛、新潟3県各1減とする内容>と報じている。
細田氏は「選挙博士」と呼ばれるほど、選挙制度、選挙区の事情に精通。2016年の衆院選改革法案「0増6減」の成立の時も、国会で細田氏が与党側の趣旨を説明した。自民党幹部はこう解説する。
「選挙にはめっぽう詳しい細田氏。国会議員で選挙に関して細田氏と議論して勝てる人はいません。中選挙区時代から小選挙区になった経緯、背景、事情やご自身と関係のない選挙区までスラスラと話が出てくる。それくらいすごいです。10減を3減にし、長崎、愛媛、新潟が対象と細田氏が高木氏を呼び出し、案を伝えたことは今後、大きな影響があるでしょう」
一方で、野党立憲民主党の幹部はこう憤慨する。
「細田氏が3減と指摘している長崎、愛媛、新潟は比較的、自民党には影響が少ないところばかり。長崎は4つの小選挙区のうち1つ、新潟は6つのうち4つ、野党側が勝っている。自民党のお家騒動に発展しかねない、山口や和歌山は除外している。細田氏が選挙にとても詳しいことは有名ですが、衆院議長が自民党を利する案を持ち出すというのはおかしい。10増10減でやるべきだ」