すでに退団が決まったのが、名古屋のFWガブリエル・シャビエルだ。2017年7月に当時J2だった名古屋に加入すると、シーズン後半戦16試合で7得点15アシストの大活躍。翌年以降も、テクニカルかつ正確無比な左足を駆使し、ピッチ上の魔術師として多くのチャンスを作り出した。まだ28歳。堅守第一のフィッカデンティ監督の下では出番を失ったが、他クラブで攻撃に専念できる役割を与えれば、再び光り輝くことができる。今季推定年俸1億円とされる金銭面をクリアできれば、触手を伸ばすJクラブは必ずある。そして必ず活躍するはずだ。
J2降格組では、横浜FCのFWサウロ・ミネイロが注目のタレントだ。 J1最下位に沈んでいたチームを救うべく今夏に加入すると、強靭なフィジカルと爆発的なスピードを武器に出場11試合で4得点をマーク。結局、 J1残留に導くことはできなかったが、DFラインの裏への巧みな抜け出し、そして左右両足からの強烈なシュートと、個人としては能力の高さを見せた。24歳と若く、Jリーグでのさらなる成長も可能。より多くのパスが供給されるクラブに移籍すれば、得点王争いにも加われる可能性を秘めている。
守備のタレントに目を向けると、J2降格が決まった仙台の元ポーランド代表GKスウォビィクの去就が不透明だ。2019年の夏に来日して以降、ゴール前で常に“違い”を見せてビッグセーブを連発。今季もチーム自体は低迷したが、スウォビィク自身は好パフォーマンスを披露した。個人としての能力はJ屈指のレベルにあり、年齢もまだ30歳。契約は今冬までとされ、GK問題を抱えるクラブにとっては、確実に「失点減」につながる人材として獲得候補にリストアップされるはずだ。
さらに注目なのがセンターバック陣で、鳥栖のブラジル人DFエドゥアルドが人気銘柄。2013年に来日し、鳥取、栃木、柏、川崎、松本、鳥栖と渡り歩いた中で評価を高めてきた左利きのセンターバックで、現在28歳。高いビルドアップ能力とリーダーシップを誇り、強烈なFKも搭載する。鳥栖の主将として来季の契約を残している状況ではあるが、多くのJクラブから関心を寄せられる存在であり、本人が新たなチャレンジを希望し、国内の他クラブに移籍することは十分に考えられる。