【米ビルボード・アルバム・チャート】アデル『30』が2週連続首位、マイケル・ブーブレ『クリスマス』が3位へ上昇
【米ビルボード・アルバム・チャート】アデル『30』が2週連続首位、マイケル・ブーブレ『クリスマス』が3位へ上昇

 アデルの『30』が2週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 先週、2021年最大の週間ユニット数839,000を記録してNo.1デビューした『30』は、初週から66%も減少したものの、2週目で288,000という高記録を打ち出し、2位以下と大差をつけてトップを維持した。

 登場2週目の週間ユニット数としても2021年最大の記録で、ドレイクの『スコーピオン』が2018年7月21日付チャートで記録した335,000ユニット以来、過去3年半における最高記録を更新した。

 今週記録した288,000ユニットの内訳は、アルバム・セールスが225,000(68%減少)、アルバム・ストリーミング(SEA)が61,000(57%減少)、トラックごとのユニット数(TEA) は2,000(64%減少)だった。他のアルバムと比較してストリーミングが若干弱い印象を受けるが、『30』はわずか12曲(デラックス盤は15曲)で週間8,133万ストリーミングを記録している。

 アルバムからのリード曲「イージー・オン・ミー」は、先週のソング・チャート“Hot 100”で返り咲き、通算4週目の首位を獲得。アルバム収録曲「オー・マイ・ゴッド」も5位に初登場して、TOP5に2曲を送り込んだ。

『30』の初登場前、11月27日付チャートでNo.1デビューしたテイラー・スウィフトの『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』は、先週に続き2位をキープ。前週から36%減少したものの、こちらも登場3週目で102,000ユニットと高記録を維持している。

 先週9位にリエントリーしたマイケル・ブーブレの『クリスマス』は、さらに順位を上げて今週3位にTOP3入りを果たした。週間ユニットは51%増加の59,000、アルバム・ストリーミングも60%増加の44,000にそれぞれ上昇している。

 本作『クリスマス』のリリースは10年前の2011年10月で、同年末から翌12年初頭にかけて計5週間首位を獲得し、10年間連続でTOP10入りを果たすという記録を達成してきたが、先週から今週にかけてポイントが急増したのは、11月19日に発表したデラックス盤のリリース効果によるもので、今週も5,745万回と高ストリーミング数を打ち出している。

 現地時間12月6日には、米NBCでブーブレのコンサート特番『クリスマス・イン・ザ・シティ』が放送されるため、次週も上位をキープする可能性が高い。

 『クリスマス』に続き、ホリデー・アルバムからはヴィンス・ガラルディ・トリオの『スヌーピーのメリークリスマス』も先週に21位から10位に再TOP10入りを果たした。本作のリリースは遡ること56年前の1965年で、1987年に初めてBillboard 200にランクイン。そして今年の1月2日付チャートで10位に初めてTOP10入りし、約11か月を経て2度目のランクインと最高位に並んだ。なお、ホリデー・アルバム・チャートでは2007年1月27日付チャートで最高2位を記録している。

 今週『スヌーピーのメリークリスマス』が獲得した週間ユニットは36,000で、そのうちアルバム・セールスがは16,000(44%増加)、アルバム・ストリーミングは19,000(72%増加)をそれぞれ記録した。本作も、ホリデー・シーズンのプロモーションや各ストリーミング・サービスのプレイリスト効果が大きく、週間ストリーミングは旧作としては異例の2,528万回を記録した。アナログ盤の売り上げも好調で、週間セールス16,000のうち13,000枚(39%増加)をLPの売り上げが占めた。今年は、Billboard 200での最高位更新も期待できるかもしれない。

 アナログ盤といえば、オリヴィア・ロドリゴの『サワー』もLPのセールスが好調。今週記録したセールス21,000のうち14,000枚がアナログ盤の売り上げで、前週から63%も売上が増加している。週間ユニットも21%増加の48,000に上昇し、先週の8位から4位に再びTOP5入りを果たした。本作は、先日発表された2021年の年間アルバム・チャートで2位にランクインする大ヒットを記録している。

 その年間アルバム・チャートでは5位にランクインしたドレイクの『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(48,000ユニット / 9%減少)は3位から5位に、そして今年の年間1位を獲得したモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(45,000ユニット / 7%減少)は5位から6位に、サマー・ウォーカーの『Still Over It』(40,000ユニット / 17%減少)は6位から7位に、シルク・ソニックのデビュー・アルバム『アン・イヴニング・ウィズ・シルク・ソニック』(37,000ユニット / 26%減少)は4位から8位にそれぞれ順位を下げた。一方、LPの発売により先週TOP10入りしたザ・ウィークエンドの『ザ・ハイライツ』は、ユニット数を若干減少させたが10位から9位にワンランクアップしている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月10日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『30』アデル
2位『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』テイラー・スウィフト
3位『クリスマス』マイケル・ブーブレ
4位『サワー』オリヴィア・ロドリゴ
5位『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』ドレイク
6位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
7位『Still Over It』サマー・ウォーカー
8位『アン・イヴニング・ウィズ・シルク・ソニック』シルク・ソニック
9位『ザ・ハイライツ』ザ・ウィークエンド
10位『スヌーピーのメリークリスマス』ヴィンス・ガラルディ・トリオ