そこで撮ったのが「馬の目」だ。父親の大きな目が、馬のそれと似ていた。他にも、自分のことを大切にできなかった時の「乾燥した手」や、自分の感情と似ていると感じた「水の流れ」など、フラッシュバックをテーマに自らの内面を撮っている。
いまだ生きづらさは続いているが、写真で表現すると気持ちが楽になる。今は目標ができ、多くの人に撮った写真を見てもらいたいと話す。
「いろんな解釈をしてほしいですけど、親の呪縛にとらわれひきこもっている人たちが、『私もわかる』と共感してくれたらすごくうれしいです」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2022年11月7日号より抜粋